【深層ルポ】知られざる韓国スポーツと兵役③「兵役は選手として“死んだ時間”」と嘆くアスリートたち

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【前回】深くて長いスポーツと軍隊の関係

韓国の兵役制度はどのような仕組みになっているのか。韓国の憲法を調べてみると、兵役法第三条には次のような条文が記されている。

「大韓民国の国民たる男子は憲法と兵役法の定めに従って兵役義務を誠実に遂行しなければならない」

兵役法は1949年の施行から何度も改正されているが、基本趣旨は昔も今も変わらない。国防の機軸として兵役がしっかりと義務づけられているのだ。

この兵役の制度について簡単に説明すると、陸、海、空と所属する軍によって異なるが、その期間は平均して約2年となっている。

兵役対象年齢となるのは18歳から。高校を卒業した年に徴兵検査を受け、そこで健康体だと判定されれば、現役兵として軍務に奉仕しなければならない。

それはサッカー選手であろうと金持ちの息子であろうと、韓国人として韓国で生まれた者ならば遂行しなければならない国民の義務となっている。

有名人や特権階級の息子でも、兵役を拒否したり、不正を働いて逃れようものなら、国中の非難を浴び、その後の人生さえも棒に振ることになる。

1997年12月の大統領選挙で、金大中(キム・デジュン)氏と大統領の座を争った韓国最大政党ハンナラ党のイ・フェチャン氏も、息子の兵役逃れが原因で槍玉に挙げられ、有力視された大統領の座を金大中氏に奪われたほどだ。

もちろん、いくつかの免除事項はある。具体的に紹介していこう。