性暴力根絶を利用しているのは誰だ!? 政治介入のための組織改編に揺れる韓国スポーツ界

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(写真提供=SPORTS KOREA)イ・ギフン会長

韓国で公的機関のトップの地位は、大統領選挙での功労者に対する褒賞の意味もある。

最近、事故続きで問題になった韓国鉄道公社(KORAIL)の社長などは、その代表である。スポーツ団体のトップも、そうした地位の一つであった。

しかし10年前にIOC(国際オリンピック委員会)の傘下団体であるKOCと大韓体育会が統合したことにより、政治介入がしにくくなった。

実際、不祥事続きである現在の大韓体育会のイ・ギフン会長を、政府は交代させたいものの、むやみに手を出せない。KOCを大韓体育会から分離させれば、国内組織である大韓体育会の人事を掌握できるというわけだ。

日本では政府の圧力に屈し、1980年のモスクワオリンピックをボイコットした苦い経験から、日本体育協会(現日本スポーツ協会)の傘下にあったJOC(日本オリンピック委員会)を自立した組織として分離したが、今回の韓国のケースは、その逆の論理である。

また、大韓体育会から国際大会の担当部署であるKOCを分離した場合、組織の中で生活体育側の立場が強くなり、エリートスポーツがより委縮するという論理も働く。

そもそも今日の韓国スポーツ界の基礎を築いたのは、パク・チョンヒ、チョン・ドゥファンといった軍事政権の時代であり、ムン・ジェイン政権にすれば、積弊にほかならない。その一方でスポーツ界には長老の人を中心に、現政権に批判的な保守派の人が多い。